ロータリーディスクタンブラー錠

ロータリーディスクシリンダー錠とも呼ばれ、正しいカギを挿すと、タンブラー(障害物)が回転するような動きをするため、ロータリーという名が付きました。
ピッキング手口による被害を多く受けた「ディスクシリンダー」の次の世代を担うキーとして美和ロック社が開発に成功しました。
比較的安価ですが、その価格に比べてピッキングや破壊的開錠にも強いコストパフォーマンスに優れたカギです。

ロータリーディスクタンブラー錠の安さの秘密

安価な秘密は、一般的なシリンダーで採用が進んだ構造が複雑なピンタンブラーと違い、ロータリーディスクタンブラーとサイドバーという構造を採用したことです。
ピンタンブラーは、上下のピンの数などパーツが多く製造に高い原料コストが掛かるのですが、ロータリーディスクタンブラーの場合は、比較的パーツが少ないことなどから、安価に生産が可能なのです。

ロータリーディスクタンブラー錠の構造

正しいカギを挿すことによりタンブラーが軸を中心に、回転するように動きます。
ロータリーディスクシリンダーの構造上の特色は、タンブラーが直接的に、回転の障害物となってロックしているわけではなく、ロッキングバーというパーツが回転をロックしている点にあります。

正しいカギを挿すと、タンブラーの刻みがロッキングバーの位置に揃い、全てのロッキングバーがタンブラーの刻みの中にピッタリと落ち込むと内筒にフラットに収まり、内筒を外筒の中で回転することが可能になります。

ロータリーディスクタンブラー錠がピッキングに強い理由

ディスクシリンダー錠など他のシリンダー錠では、1つのタンブラーが正規の位置に来ると、その感触は手に伝わります。
1つ1つ順番にディスクやピンをセットできれば最終的に開錠が可能となるのです。
ロータリーディスクタンブラー錠は、全部のタンブラーの刻みがピッタリ揃わないとロッキングバーは動きません。

そして、ピッキングの最中に各タンブラーが正規の位置に揃っているかどうかが、感触として手に伝わり難いのです。
つまり、全てのタンブラーが正規の位置に揃うまで、途中過程で1つタンブラーが揃ったとしても感触が伝わらないことがピッキングを困難にしているのです。
もちろん、1つでもタンブラーが正規の位置に来ていなければ開錠は不能です。

バンピング手口では開錠が不能なロータリーディスクタンブラー錠

ロータリーディスクタンブラー錠の特徴の1つとして、近年テレビ等で話題になっている開錠手口「バンピング」では開錠できないことが挙げられます。
バンピングは従来、鍵師が開錠作業に用いるカギを用いた、比較的容易に短時間で跡形なく開錠できる手法です。
欧米ではすでに社会問題となるほど広がりを見せており、いったん広まると防ぎにくい厄介な手口です。
他のディンプルキーとは異なって、ロータリーディスクタンブラー錠はこの手法では絶対に開錠不能な数少ないカギです。